管理する側から見たITIL導入のプロセス

ITIL導入を促すことは、成功へのプロセスを過去の事例から学ぶことに繋がります。これによって、管理する側から見ても大きなメリットが生じる試みです。そもそもITILとは、ITサービス業における成功事例をまとめた書籍群です。その事例から自分たちの事例に当てはめて過去を振り返り、失敗があればその要因を探る手助けになります。現在の経営方針を決めかねているなら、ITILを参考にする事によって成功への具体的な方法を探る事も可能です。また自分たちと形態や体質が似ている事実例を構成員に配布すれば、企業へ属するという意識を強く持たせたり、新たな知識や方向性が芽生えるという利点も期待できる試みです。現在はバージョン3まで公開されていますが、古いバージョンのものを塗り替える形ではなく、記述する焦点を変えているので全て参考にするのがお勧めです。

管理する上でのITIL導入の有効性

ITIL導入を実施する上で最大の効果を得るには、問題の管理を分析する段階まで進ませる必要があります。事例を羅列して暗記していくだけでは、十分だとは言えません。類似案件を発見するのはあくまで入り口です。その問題が何故起こったかのプロセスを解明し、その問題を引き起こすだろう原因を管理する事で企業成功の鍵となります。現在起こっている問題を管理した段階でも、終わりではありません。企業としての発展を続ける事で起こる新たな問題も発生しますし、ユーザーからの要望が変動したり新たなトラブルが発生する可能性もあります。ITILそのものはあくまで参考群で、事例から学んで成長し続ける意識と意欲こそがITILが齎す大きな利益です。これからもバージョンアップされるITILは、今現在も増え続けています。

ITIL導入においてどの様な行動を取れば良いのか

管理のプロセスを明確化する事により、ITIL導入は深い意味を持ちます。ITILと自社を比較するには、まずは自社のあらゆる部分を文章化して分かり易くする必要があります。今までは担当部分が曖昧で分かりづらかったり不明点が多かった事をかみ砕いて文章化するので、明文化する事で誰にでも分かる様になるというメリットがあります。問題が目に見える形で表面化するので、次はこの原因を探って会議にかける等の行動を取り、皆の意見を取り入れて解決に挑みます。問題解決の糸口が見つかると、解決する事で生まれる影響を被る人や物が生まれる事もあります。新たな解決を模索するか、いっそ現在のプロセスを変更する行動力も必要です。それには絶大な労力を要する場合もありますが、それに躊躇する様ではITIL導入の意義が失われます。